第1149回生物科学セミナー

クロロフィル代謝と光合成の進化

田中 歩 特任教授(北海道大学低温科学研究所特任教授)

2018年01月23日(Tue)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

多様な生命活動を可能にしている代謝経路がどのように誕生し進化したのかは、進化の研究において最も興味深い問いの一つである。光合成生物はその進化の過程で、新しいクロロフィルを獲得し、新しい環境に進出した。また、陸上植物においては、高度に制御されたクロロフィルの分解経路を構築することで、種子生産などに重要な葉の老化を可能にした。これら代謝経路を作り上げた酵素がどのような機構で誕生・進化したのか、また新しく獲得されたクロロフィル分子がどのようにして光化学系で機能するようになったのかを分子系統解析や生化学的解析、クロロフィル獲得の再現実験の結果をもとに議論したい。
参考文献
1. Shimoda et al. (2016) Arabidopsis STAY-GREEN, Mendel's Green Cotyledon Gene, Encodes Magnesium-Dechelatase. Plant Cell,
2. Kunugi et al. (2016) Evolution of Green Plants Accompanied Changes in Light-Harvesting Systems. Plant Cell Physiol.
3. Ito et al. (2014) Evolution of a new chlorophyll metabolic pathway driven by the dynamic changes in enzyme promiscuous activity. Plant Cell Physiol
4. Ito et al, (2011) Evolution of a divinyl chlorophyll-based photosystem in Prochlorococcus. Proc Natl Acad Sci U S A