人類学演習Ⅳ/人類学セミナー4

文化人類学者による文化進化論への再挑戦! ニューギニア民族誌を利用する

田所 聖志 先生(秋田大学大学院国際資源学研究科)

2018年01月05日(Fri)    16:50-18:35  理学部2号館 323号室   

近年、行動生態学や文化系統学の方法を用いて文化的現象の進化を再構成しようとする文化進化論の研究が進展しています。今回のセミナーでは、ニューギニア島のさまざまな言語・文化集団を対象とした文化人類学的な民族誌データを利用して文化進化を研究する現在構想中のアイディアを中心にお話しします。民族誌のトピックとして、男性の成人儀礼の地域偏差を取りあげます。あわせて、文化人類学における文化進化論の学史にも少しだけ触れたいと思います。文化人類学では1950年代から1970年代にかけて文化進化が大いに論じられましたが、その後、議論は盛りあがりませんでした。その理由や、これから、現代的な文化進化の理論と文化人類学が接合できる可能性についてもお話ししたいと思います。

【参考文献】
カリー、T. 2012 「系統比較法による仮説検定──社会・政治進化のパターンとプロセス」中尾ほか編 『文化系統学への招待』勁草書房、pp.65-84。
Herdt, G.H. ed. 1984 Ritualized Homosexuality in Melanesia. Berkeley: University of California Press.
松園万亀雄 1984 「新進化主義」綾部恒雄(編)『文化人類学15の理論』中央公論社、pp. 115-131。
メスーディ、A. 2016 『文化進化論――ダーウィン進化論は文化を説明できるか』NTT出版。
井原泰雄 2017 「現代的な文化進化の理論」中尾央・松木武彦・三中信宏(編)『文化進化の考古学』勁草書房、pp. 1-34。
杉島敬志 1987 「精液の容器としての男性自身――精液をめぐるニューギニアの民俗的知識」『文化人類学 4』: 84-107、アカデミア出版会。