人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ

縄文時代人はなぜ歯並びがよいか?人類学からアプローチする歯列・咬合の問題

海部陽介 先生(国立科学博物館人類研究部 東京大学大学院進化多様性講座)

2014年06月13日(金)    16:40~18:10  理学部二号館402教室   

縄文時代人の顎骨・歯列には、現代人と比べて歯並びがよく、歯列が広く、切端咬合を示し、下顎骨全体が頑丈であるといった、いくつもの際立った特徴が認められる。縄文から現代へ至るこうした形態の時代変化を調査し、さらに先史時代における歯列・咬合の個体成長を解析することによって、現代人でなぜ不正咬合が急増しているのか、その要因を探ることができるだろう。調査対象が現代人に限定される医学的アプローチとは異なる、人類学ならではの研究例の1つとして、この話題を紹介する。