岩崎研公開ラボセミナー

ナノポアシーケンサーの技術と生命科学研究での活用

古川 貴久(株式会社オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ)

2017年11月10日(金)    16:00-17:00  理学部3号館 310号室   

 ナノポアシーケンサー(MinION)はナノメートルサイズのタンパク質の穴を通過する分子を測定するナノポアセンシングという技術を使った第3世代の核酸シークエンサーである。
 手の平サイズという携帯性から、従来のラボでの実験・シークエンスといった活用にとどまらず、感染症の現場での菌の検出・同定など屋外でのシークエンスも実現している。また、昨年末のデータ出力量と性能の向上により、数十キロから数百キロを超える超ロングリード配列を産生することに加え、10Gbpを超えるデータ出力が可能になったことから、より様々なかたちでの生命科学研究への活用が進められている。
 本セミナーでは、ナノポアシークエンスの技術から、その仕様、そしてすでに活用されている事例や論文の紹介を交えて、ナノポアシーケンサーの理解を深めていただくとともに、サンプルハンドリングやデータ処理についてなど、有効に研究に活用していくためのポイントも合わせて紹介をする。また、この際にはイギリスからアプリケーションスペシャリストも同席し、質疑や個別相談では先行してナノポアシーケンサーの利活用が進む欧州における経験や状況等もふまえた紹介や提案をしたい。