第1137回生物科学セミナー

基部陸上植物ゼニゴケから見えてきた遺伝子制御ネットワークの転用による植物ボディプランの進化

石崎 公庸 准教授(神戸大学)

2017年07月19日(水)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

 陸上植物は約5億年前に淡水棲の緑藻から派生した単系統のグループである。しかしながら、緑藻やコケ植物と維管束植物の間で優占世代が異なるなど、進化の過程で大きく体制を変えてきており、組織や器官レベルでの進化的な連続性は、あまり考えられてこなかった。植物はどのように現在の体制に進化したのだろうか?
 本セミナーでは、陸上植物の進化の基部に位置するコケ植物ゼニゴケの器官発生制御について最新の研究成果を紹介する。そこから見えてきた「遺伝子制御ネットワークの転用による植物進化」について議論したい。

参考文献
Ishizaki, K. et al.(Review) Plant Cell Physiol. 57: 262-270. (2016)
Kato, H. et al. PLOS Genet. 11: e1005084. (2015)
Kubota, A. et al. Nature Commun. 5: 3668. (2014)
Ishizaki, K. et al. Plant Cell 25: 4075-4084. (2013)