第1135回生物科学セミナー

真核—真核細胞内共生におけるゲノム再編

谷藤 吾朗 研究員(国立科学博物館)

2017年06月21日(Wed)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

細胞内共生は生物多様性拡大の原動力の一つである。生物進化の中で独立に複数回起こった細胞内共生はさまざまな真核光合成生物を生み出した。一方で、細胞内共生によってふたつの生物が一つに統合される過程では、宿主側と共生体側ゲノムの複雑かつ大規模な遺伝的再編が必須と考えられる。それがどのように起こったのか、ヌクレオモルフ(真核共生体の残存核)を維持している微生物、クリプト生物とクロララクニオン生物の比較ゲノム研究を例として紹介する。また、最近見つかったヌクレオモルフをもつ新たな微生物にも触れ、今後の研究の方向性について議論する場としたい。

参考文献
Curtis, B. A. et al. Algal genomes reveal evolutionary mosaicism and the fate of nucleomorphs. Nature 492, 59-65, (2012).
Tanifuji, G. & Archibald, J. M. Nucleomorph comparative genomics.In Endosymbiosis (ed. Löffelhardt W.) pp.197-214 Springer, Vienna, (2014)