第1078回生物科学セミナー

植物におけるプリンアルカロイド生合成

加藤 美砂子(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)

2016年10月05日(水)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

プリンアルカロイドとは、カフェイン(1,3,7-トリメチルキサンチン)やテオブロミン(3,7-ジメチルキサンチン)に代表される植物に固有の二次代謝産物である。カフェインは通常、微量成分ではなく乾燥重量の2~3%を占め、高度に蓄積されていることが多い。カフェインは19 世紀にコーヒーから発見されて以来、チャノキ、マテ、ガラナなどのさまざまな植物に含まれていることが明らかになっている。プリンアルカロイドを含む種は特定の分類群に偏らず、系統分類学上、ピンポイントに存在している点が興味深い。このような植物のプリンアルカロイドの生合成に関与するN-メチルトランスフェラーゼからプリンアルカロイド合成能の獲得を考えたい。