人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)

ヒト、霊長類、魚類に対する感覚関連遺伝子の多様性と適応進化の検証

河村正二先生(東京大学新領域創成科学研究科先端生命科学専攻)

2016年05月20日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 402号室   

視覚をはじめとする感覚系遺伝子の進化多様性の研究は近年の機能解析系の発展を背景として実証的進化研究モデルとしてたいへん優れている。私の研究室ではヒト、野生霊長類、魚類を対象に、味覚や嗅覚などのケミカルセンスと視覚の進化の解明を目指している。分子生物学、集団遺伝学、行動生態学にまたがる学際的アプローチによって、ヒト色覚多様性の起源とその進化学的成因の探究、新世界ザルをモデルとした霊長類3色型色覚の進化学的研究、魚類をモデルとした色覚進化の適応的柔軟性の検討、霊長類におけるケミカルセンスと視覚の共進化の検証といった研究プロジェクトを推進している。それらについて簡単に紹介する。