第1075回生物科学セミナー

カイコ感染モデルを利用した細菌の病原性の理解

垣内 力 准教授(東京大学大学院薬学系研究科)

2016年07月06日(水)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

細菌感染症は今もなおヒトの死因の上位を占めている。細菌の病原性発動の分子機構を明らかにすることは、細菌感染症の克服に貢献するだけでなく、細菌と宿主動物の相互作用を理解するために必要である。ヒトに感染する細菌の病原性については、感染モデル動物を使用して研究する必要がある。私たちは、カイコを使って、ヒト病原性細菌が病原性を示す分子機構の理解を試みてきた。本セミナーでは、カイコ感染モデルを利用して明らかとなった細菌の病原性遺伝子群、ならびに細菌の病原性を抑制する生体防御機構について紹介したい。