人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)

3次元計測データからみた日本列島住民の突顎の時代変化

大野 憲五先生(東北大学大学院医学系研究科人体構造学分野)

2016年01月12日(火)    16:50-18:35  理学部2号館 323号室   

突顎という顔の特徴は顔面性突顎と歯槽性突顎に大別される。日本では頭蓋の計測的研究から、思想性突顎が中世の人々で最も強くなるという時代変化が起こったことが定説となっている。しかし思想性突顎を評価するマルチン式の思想側面角にはいくつかの問題点がある。今回は日本列島住民の頭蓋形態の時代変化に関するこれまでの研究動向とともに、3次元計測から得られた標識点座標データに基づいて、顔面性突顎と歯槽性突顎を新たな視点から評価し、上顎骨思想部形態の時代変化を再評価した研究について紹介する。