第1045回生物科学セミナー

脊椎動物頭部顔面形態の発生と進化

倉谷 滋先生(理化学研究所 倉谷形態進化研究室)

2016年01月13日(水)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

古くヘッケルが指摘したように、脊椎動物の顔面形態の多様性は、同じ基本型の変形として理解することが出来る。しかし、仮想的な祖先が持っていたと想像される顔面の祖先型も、一部の脊椎動物(円口類)には当てはまらない。しかも、ヤツメウナギとヌタウナギの頭部顔面形態を比較することすら容易ではない。我々の頭部形態の理解に当たって避けて通ることの出来ない円口類の発生パターンを解説し、脊椎動物の初期進化を復元することにより、この問題を考える。

参考文献
動物進化形態学(東京大学出版会、2004年)