人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)

精神疾患の分子生物学

岩本和也先生(東京大学大学院医学系研究科分子精神医学講座)

2015年11月13日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 323号室   

主要な精神疾患は生涯有病率が極めて高く、障害が長期間続く重篤な疾患である。統合失調症や双極性障害・大うつ病を始め、多くの精神疾患では分子病因が不明であり、客観的指標による診断や疾患の理解に基づく治療戦略の確立が困難な状況にある。一方、各種研究技術の進歩などを背景に、精神疾患の本質的理解への期待がかってないほど高まりを見せている。本談話会では、統合失調症、双極性障害、大うつ病など主要な精神疾患の分子病態について、主に遺伝研究の視点から概説すると共に、脳神経系ゲノムダイナミクスの分子機構と病態との関連について我々の研究成果を交えて議論する。