公開ラボセミナー

集団ゲノムデータから探る自家交配の進化史:シロイヌナズナとその近縁種を例に

土松 隆志 博士(総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系)

2015年09月17日(木)    15:00-16:30  理学部 3号館 412号室   

植物における自家交配(自殖)とは,自己の花粉と胚珠によって種子をつくる繁殖様式である.自殖は近交弱勢を伴うものの,遺伝子の伝達効率の良さや一個体でも子孫を残せるという繁殖保証の有利さから,適応的な形質であると考えられてきた.自殖は被子植物の中で何度も繰り返し進化してきたことが知られている.自殖の平行進化はどのような突然変異によって起きるのか.それらの突然変異に普遍的な性質は見られるのか.自殖が進化すると植物の集団はどう変化していくのか.セミナーでは,集団ゲノムデータが蓄積したモデル植物シロイヌナズナとその近縁種を材料に,これらの問いにアプローチした私達の研究を紹介する.