公開ラボセミナー

3次元的に密集した細胞核の高精度な自動認識手法

豊島 有 博士(理学系研究科生物科学専攻)

2015年09月02日(水)    10:30-12:00  理学部 3号館 412号室   

線虫はすべての神経細胞とその配線が既知であり、神経ネットワークによる情報処理の動作原理を理解する上で有用である。近年の顕微鏡技術の発展により、線虫頭部の全神経の活動を同時に観察できるようになってきた。このデータを既知の神経ネットワークと対応付けるためには、画像中の180個以上の神経細胞を漏らさず認識する必要があるが、細胞同士が3次元的に密集しており、一般的な画像解析手法では近接した核をうまく分離できなかった。そこで本研究では、画像解析による細胞核の自動認識精度を向上させることを目指した。
本研究はCREST共同研究プロジェクト 「神経系まるごとの観測データに基づく神経回路の動作特性の解明」の一部である。神経回路の情報処理機構の動作原理を明らかにする上で、関連する諸分野についても紹介したい。