臨時生物科学セミナー(第157回)
日 時:平成19年10月11日(木) 16:30〜18:00
場 所:理学部2号館 第二講義室(223号室)
講演題目:シロイヌナズナ根毛細胞の先端成長における
RHD2/NADPH oxidaseの局在と活性化システムの解明
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講演者名:武田征士博士 Cell
and Developmental Biology, John Innes Centre Norwich NR4
7UH, UK |
講演の概要 植物細胞は、拡散成長(diffuse growth)または先端成長(tip growth)によって成長し、さまざまな形をとるようになる。先端成長とは細胞表面の一部だけで行われる成長をいい、これによって細胞は一方向に長く成長する。成長ポイントが細胞表面の一部に限られるこの成長様式では、一細胞内での極性の確立が重要であることを示している。この一細胞内でおこる極性確立のメカニズムを理解するため、我々はシロイヌナズナの根毛形成をモデルに研究を行っている。根毛細胞は先端成長によって長いチューブ状の形態をとり、水や無機栄養分の摂取に関わる。シロイヌナズナrhd2突然変異体の根毛細胞では、原基は正常に形成されるものの、その後の伸長が行われない表現型が観察され、根毛細胞の先端成長に異常があることが示唆されていた。RHD2遺伝子は、成長中の根毛細胞の先端での活性酸素種の産生に関わるNADPH oxidaseホモログをコードしている。活性酸素種の蓄積は根毛細胞の先端以外では見られないことから、RHD2による局所的な活性酸素種の産生が根毛細胞の先端成長に重要であることが示唆されていた。 |
東京大学理学部生物学科植物学コース