「風習的抜歯から探る縄文時代の人々」

日時:1月12日(金)16:30−18:00
場所:理学部2号館402号室
演題:「風習的抜歯から探る縄文時代の人々」
講演者:藤田 尚(新潟県立看護大学)
講座区分:人類学談話会
概要:日本における風習的抜歯がいつ始まったのかについては、定かではない。風習的抜歯 は縄文時代の、後期から晩期にかけて、一般的となる。縄文時代の抜歯風習につい て、近年自然人類学者からの発現がほとんどなかった。しかし、抜歯は、歯や歯の殖 立する歯槽骨についての観察が基本であることから、歯や骨の専門家である自然人類 学者が、積極的に取り組むべき課題である。このような観点から、演者は、人骨資料 の豊富な愛知県渥美半島の吉胡、保美、伊川津の3遺跡の人骨について、抜歯の施術 年齢と加齢変化の検討を中心に、これら縄文人骨の抜歯の歯種と意義について考察し た。今回の談話会では、演者の研究から浮かび上がる、縄文人の通過儀礼と、そこか ら垣間見た縄文社会について、話をする。