霊長類における社会行動の進化と多様性

日時: 6月6日(火)16:30〜18:00
演者:沓掛展之(理化学研究所・脳科学総合研究センター)
演題:霊長類における社会行動の進化と多様性
場所:理学部2号館402教室
区分:人類学談話会

要旨:ヒトと他の動物の連続性を考える際、(ヒト以外の)霊長類を対象とした行 動生態学的研究は大きな役割を果たす。たとえば、文化、言語、道徳、高度な知性、 老化など、人間に固有な特徴と考えられてきた形質や、その萌芽が、霊長類において もみられることが分かってきた。また、近年の急速な環境破壊によって、多くの霊長 類が危機にさらされている。この点においても、霊長類の行動生態を理解すること は、保全生物学的研究に活用可能な基礎データを提供するという重要な役割を持って いる。本発表では、発表者が過去8年間行ってきた霊長類の社会行動研究、とくに社 会関係の調整機構について概説する。発表を通して、霊長類における行動生態学的研 究の魅力、フィールドワークや多角的なアプローチの重要性を紹介したい。