ミトコンドリアDNAなどについての研究

日時:5月2日(金)16:30−18:00
場所:理学部2号館402号室
演題:ミトコンドリアDNAなどについての研究    
 −研究紹介、現状と展望−
講演者: 針原伸二先生(人類遺伝学研究室)
講座区分:人類学談話会


要旨: 
ヒトのミトコンドリアDNA (mtDNA) に関して、配列変異や一部配列の欠失が 種々の病気の原因となることが指摘され、また加齢変化としてのmtDNAの塩基置 換などについても報告されている。近年はこの方面の研究に携わっているので、 その経過について報告することとする。  mtDNAは長さ 16500塩基対あまりの長さであるが、その3243番目の変異が A か ら G に変わる変異 (mtDNA A3243G) は種々の病気 (ミトコンドリア病) の主要 な原因となるほか、一部の臓器においては、加齢変化として蓄積する傾向が報告 されている。  他機関との共同研究で、さまざまな臓器におけるこの変異(mtDNA A3243G) の 加齢にともなっての蓄積傾向を調べている。また糖尿病患者の臓器試料について の分析から、この変異が糖尿病の主要な原因となった思われる例も見つけられた。  このほか、最近、かかわっている他の研究についても、成果や現状などについ て簡単に紹介したい。

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