東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

38回 進化多様性生物学セミナー

 

 

Radial glia細胞(放射状グリア細胞)分化過程におけるNotchシグナル伝達経路下流の解析

 

加藤 洋一 博士

(Florida State University College of Medicine)

日時:200782(木)午後4時〜5

           場所:東京大学 理学部2号館 3階セミナー室(323号室)

 

要 旨:

 Radial glia細胞は発生期だけに存在するMacroglia細胞(大膠細胞)の一種で,新生神経細胞が脳内の最終目的地点へ移動する際に手助けをし,正常な脳構築に重要な働きをしています。何らかの理由でこの細胞が欠損すると神経細胞は正常な移動ができなくなり,脳構築に異常を来たし,精神遅滞やてんかんを引き起こす原因の一つと考えられている皮質形成異常症を引き起こすことが報告されています。また,近年この細胞は神経幹細胞としての機能も報告され,幹細胞治療のための幹細胞供給源の一つとしても注目されています。我々の研究室では,このRadial glia細胞の分化がどのように制御されているかを解明する為,既にこの過程への関与が報告されているNotchシグナル伝達経路に注目し,そのシグナルの下流で働く転写因子Oct-1を新規に発見しその機能を解析しました。

               

                   世話人:進化多様性生物学大講座

免疫分子進化学研究室 野中 勝 (内線27589