動物科学特論II

313Zoological Conference

 

日時: 912(水)16:00-17:00

演者: 吉田 学 博士東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所

演題: 受精時における精子の運動能・受精能の

      調節機構

 

 

 受精過程において、精子は種特異的に卵由来因子によって活性化され、誘引されることが多くの動物で知られている。つまりこの卵に対する精子走化性は、特に体外受精を行う生物において、受精の際に精子が同種の卵を効率的に探し出すことを補助していると思われ、生物の生殖戦略を探る上でとても興味深い現象である。また、精巣で形成された精子はその段階では受精能を持たず、精子が卵までに至る過程において、雌性生殖器由来因子や精漿等の作用により、厳密に受精能が制御されていることが最近の知見で明らかになってきている。本講演では精子走化性や受精能制御機構の最近の知見を中心に紹介し、この受精時における精子の運動能・受精能の調節機構の多様性と普遍性について考察したい。

 

場所:理学部2号館 第1講義室(201号室)

 

担当: 東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻・動物科学大講座

  (TEL: 03-5841-4018) 理学系研究科附属臨海実験所