動物科学特論I
第303回Zoological Conference
日時:7月5日(水)16:00-17:00
演者:金井 昭夫 (慶応義塾大学先端生命科学研究所
教授)
演題:
超好熱性古細菌のゲノムを利用したRNA
制御系の解析
私たちの研究室では超好熱性古細菌Pyrococcus furiosusを用いて、ポストゲノム時代を考えたRNA研究を、(1)生命情報科学(バイオインフォマティクス)と(2)分子生物学の両手法を融合する形で展開しようと試みています。超好熱性の古細菌は進化的に生命の起源に近いと想像されていますので、RNAワールド仮説を考えにいれると、極めて原始的な菌でRNAの代謝を研究すれば、遺伝子制御の根幹に関わるような発見が出来る可能性があると思えたからです。
まず、古細菌由来の蛋白質ライブラリを作成し、そこに見出される活性を指標に対応する遺伝子を試験管内でより分けるというシステムを構築しました。このシステムを用いて、特定の配列や構造を有したRNAとの結合などを指標にこれまでに幾つかの蛋白質を同定することが出来ました。RNAのもつ2次(高次)構造とその結合蛋白質をシステマティックに同定していく研究の重要性について議論したいと思います。
場所:生物科学専攻第1講義室(理学部2号館201号室)
主催: 東大・院理・生物科学・動物科学大講座(TEL:03-5841-4018)
細胞生理化学研究室