遺伝子実験施設

■研究課題


  1. 神経前駆細胞から神経細胞が誕生する仕組み
  2. 神経細胞の移動と成熟の仕組み
  3. 神経細胞機能の多様性を作る仕組み
  4. 神経細胞の保護機構

脳が創られ,守られる仕組みを謎解く

私たち人間の持つ特徴の一つは,大きく発達した脳を持っていることです.脳の形成および機能発現には,神経細胞の生死および形態的・機能的な成熟が重要な役割を担っています.私たちの研究室では,マウス胎児脳などを用いて,神経前駆細胞から神経細胞やグリア細胞が生み出される過程,神経細胞が移動・成熟する過程,神経細胞の機能的な多様性が生み出される過程,さらに神経細胞が種々のストレスから保護される過程について,『生体内で何がおこっているのか』という視点から解析しています.近年,種々の脳形成疾患では,神経前駆細胞の運命決定や神経細胞の移動等に異常があることが知られています.また,神経細胞の形態的・機能的な破綻や保護機構の破綻が様々な神経変性疾患で観察できます.つまり私たちの研究は,これら疾患の発症機構を理解するためにも重要であると共に,神経保護のメカニズムを活性化することによって神経変性疾患の発症を遅延•抑止するなど,治療戦略の指針を提示することが期待できます.

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/mgrl/

准教授:眞田 佳門

助教:倉林 伸博
マウス胎児脳(赤:前駆細胞,青:神経細胞