構造生命科学研究室

■研究課題


  1. 非翻訳RNAに制御される遺伝情報の発現
    (遺伝暗号の翻訳,RNAサイレンシング)
  2. 膜タンパク質による膜を越えた物質およびタンパク質の輸送や感覚受容
  3. 新規抗がん剤設計に向けたがん化やがん転移の機構

原子のレベルで解き明かす生命現象の本質

あらゆる生命現象は,タンパク質や核酸,脂質といった生体高分子が互いに形を変えながら相互作用し,さらに分子間相互作用のネットワークを形成することで引き起こされています.当研究室では,「X線結晶構造解析」と「計算機分子動力学シミュレーション解析」さらにこれら構造情報に基づく「機能解析」を行うことで,生体内の様々な現象の分子機構を,生物学と物理化学の双方の視点から統合的に,原子レベルで解明していくことを目指しています.
これまでに私たちは,触媒反応の各段階の酵素・RNA複合体の立体構造を決定し,それらをつなぎ合わせることで正確な遺伝暗号の翻訳機構を分子動画として解明しました.また,チャネルロドプシンが光で駆動されて陽イオンを膜輸送するメカニズム(図)や,がんの悪性化に働くオートタキシンと阻害剤の複合体の構造を解明しました.今後は,高等真核細胞で繰り広げられるより複雑な高次生命現象(特にRNAサイレンシングや光・温度・圧力など物理刺激の感覚受容,がんの転移など)のメカニズムについても研究を進めていきます.

http://www.nurekilab.net/

教授:濡木 理

准教授:西増 弘志

助教:西澤 知宏

助教:山下 恵太郎

特任助教:小林 幹

特任助教:草木迫 司
光駆動イオンチャネルChRの立体構造